ICANN の概要
インターネットの安定性と完全性を促進するために協力するグローバル インターネット コミュニティ。
ICANN (Internet Corporation for Assigned Names and
Numbers) は、国際的に組織された非営利法人であり、 IP(インターネットプロトコル)アドレス空間の割り振り、プロトコル識別子の割り当て、gTLD(generic Top-Level Domain:分野別トップレベルドメイン)および ccTLD(country code Top-Level
Domain:国コードトップレベルドメイン)の名前システム管理、さらにルート サーバのシステム管理を行っています。 これらのサービスは米国政府との契約により IANA(Internet Assigned Numbers
Authority)およびその他の組織が提供していましたが、現在はICANN が
IANA 機能を担っています。
ICANN
は、民間と公共が連携する組織として、インターネットの安定性維持、競争促進、グローバルなインターネットコミュニティの広範な声を聞き、そして、ボトムアップと合意に基づき、ICANNのミッションに適切なポリシーの策定に取り組んでいます。
ドメインネームシステムについて
DNS(ドメインネームシステム)は、ユーザのインターネットでの進路決定を助けるものです。インターネット上にあるすべてのコンピュータは「IP アドレス」(インターネット プロトコル アドレス)という固有のアドレスを持っています。 IP アドレスは、数字が並んだものであり覚えにくいため、 DNS が、数字の代わりにわかりやすい文字列(「ドメイン名」)の使用を可能にしています。これにより、「192.0.34.163」の代わりに「www.icann.org」と入力することができるのです。
DNS
は、入力したドメイン名を対応するIP アドレスに変換し、目的のWebサイトに接続します。また、DNS により電子メールも機能することができ、意図した宛先に電子メールを送信することができるのです。
ICANN
の役割
ICANN
は、DNS が「universal resolvability」のための技術的要素の管理を調整するという役割を担っています。それにより、すべてのインターネット ユーザが有効なアドレスを見つけることができます。ICANN はインターネットで使用される一意な識別子の配分状況を監視し、また、トップレベル ドメイン (.com、.info など)の委任を行うことによりその役割を果たしています。
インターネット ユーザが危惧している要素として、金融トランザクションに関する規定、インターネットコンテンツのコントロール、迷惑メール(スパム)、データ保護などもありますが、これらについては ICANN のミッションである技術的調整の範囲外です。
インターネットのどこからでも、予測できる結果を保証することを「universal resolvability」といいます。これは、ドメインネームシステムの重要な機能であり、今日のインターネットを便利なグローバルリソースにしているものです。「universal resolvability」がなければ、同じドメイン名でも、異なる状況下でインターネットの異なる場所にマッピングされてしまうかもしれません。これでは混乱を招いてしまいます。
ICANN の構造
ICANNの構造の中で、政府機関および国際条約組織は 、グローバルなインターネットの構築と維持に携わる企業、団体、そして技術を持った個人と連携しています。インターネットの革新と成長に伴い、安定性を維持する上で新たな課題が生まれます。ICANN参加者は、ICANNのミッションである技術的調整に直接関わる課題に共同で取り組んでいます。ICANN は、ハイテク経済における最大限の自律という原則に従い、インターネットコミュニティの多様な構成員が連携する最大の例と言えるでしょう。
ICANN は、国際的に多彩な理事会により運営され、理事会はポリシーの策定過程を監督しています。また、ICANN 事務総長は、三大陸で勤務している各スタッフに指示をし、インターネット コミュニティに対する ICANN の義務を確実に遂行できるようにしています。
急速に変化するテクノロジーや経済の要望に応えるため、柔軟で敏速に実施されるポリシー策定は、3つの支持組織から開始されます。また、個人ユーザ組織で構成される諮問委員会および技術コミュニティで構成される諮問委員会は、支持組織と協力し、適切で効果的なポリシー策定を行っています。さらに、80以上の政府機関が、政府諮問委員会を通じ、理事会に対し助言を行っています。
ICANN 理事会は次の国々の市民で構成されています。オーストラリア、ブラジル、ブルガリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、ガーナ、日本、ケニヤ、韓国、メキシコ、オランダ、ポルトガル、セネガル、スペイン、英国、米国。
ICANN の実績
最近のICANNの実績から:
ICANNによる、gTLDの市場競争確立により、ドメイン名の関連コストは 80% 削減され、消費者および企業のドメイン名登録料で年間 10 億米ドルの節約となりました。
ICANN は UDRP(Uniform
Domain Name Dispute Resolution Policy:統一ドメイン名紛争処理方針)を策定し、ドメイン名の権利をめぐる 5000 件以上の紛争解決に取り組んできました。UDRP は効果的な紛争処理と費用効率を重視したポリシーです。
ICANN は技術コミュニティおよび関係者と協力し、IDN(Internationalized Domain Names:国際化ドメイン名)を展開するためのガイドラインを導入し、世界の何百もの言語でのドメイン名登録への道を開きました。
進行中の事業
ICANN は 2000 年に 7つの新しい gTLD(.aero、.biz、.coop、.info、.museum、.name、.pro)を導入しました。現在、さらにgTLDを追加できるかどうかを 検討中です。
インターネット コミュニティの懸念事項となっているプライバシーや情報検索機能に関連し、ICANN は登録ドメイン名の公開データベースである Whois についてのワークショップを数回開催しています。
新しいIPアドレスプロトコルであるIPv6 の展開と共に、グローバルネットワークの相互運用性は引き続きICNANにとって主要なミッションとなります。
ICANNは参加を歓迎します
グローバルインターネットポリシーに関心がある方はどなたでも ICANN に参加できます。グローバルインターネットポリシーは、ICANNミッションである技術的調整とも関連のあるものです。ICANN は、ICANNのWebサイトからアクセスできる多数のオンラインフォーラムを提供しています。また、支持組織や諮問委員会でも、メーリングリストでの議論が活発です。また、ICANN は年間を通して公開会議を開催しています。最近は、ブカレスト、モントリオール、上海、リオデジャネイロ、アクラで開催されました。
支持組織および諮問委員会についての詳細は、各組織のホームページをご覧ください。
Address Supporting Organization (ASO)(アドレス支持組織)
www.aso.icann.org
Country Code Domain Name Supporting
Organization (CCNSO) (国コード ドメイン名支持組織)
www.ccnso.icann.org
Generic Names Supporting Organization
(GNSO) (分野別ドメイン名支持組織)
www.gnso.icann.org
At-Large Advisory Committee(At-Large諮問委員会)
www.alac.icann.org
Governmental Advisory Committee(政府諮問委員会)
www.gac.icann.org
ICANN についての詳細は、ICANNのホームページをご覧ください。
http://www.icann.org