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FAQ: ICANN と移行

この文書は 「 移行アクション プラン 」 および 「 ICANN における制度信頼性の改善 」 という 2 つの文書の補足説明ガイドの役割を果たすように作成され ています 。これらの文書と補足 FAQ は、民間セクター主導型の複数関係者によるインターネットの 固有の 識別 子 の連携を実現する協定モデルへの移行の議論の補助資料として、 2008 年 6 月にプレジデントの戦略委員会( PSC )によって作成されました。


1. 「移行アクション プラン」および「制度信頼性の改善」の目的は何ですか。

PSC は ICANN の現行の法律、ビジネス、運営、および政治面で置かれている状況を分析し、ホワイト ペーパーに想定しているような組織の発展のための次のステップを検討しています。これらの次のステップの実行に関連する問題について JPA 中間レビューのコミュニティから寄せられたコメントは、慎重に考慮されています。

「移行アクション プラン」は PSB が推奨する一連の次のステップです。 ICANN がこれらのステップを進める準備を整えることに焦点を当てながら、「 ICANN における制度信頼性の改善」には、問題に対する背景情報、研究結果、およびこれらのステップをサポートする議論が含まれています。また、 PSC がコミュニティによる議論の必要性を提案している「移行アクション プラン」に基づいたトピックにも議論は及んでいます。


2. 「制度信頼性の改善」とは何ですか。

ICANN は発足以来、 ICANN の 4 つの戦略上の行動規範をさらに順調に実施すべく、
コミュニティを中心として改善と発展を続けています。

  • ドメイン ネーム システムの安定性とセキュリティの確保
  • ユーザーとレジストラに対する競争と選択の促進
  • ボトムアップ式の透過的なポリシー開発プロセスの簡素化
  • ICANN プロセスにおけるグローバルな利害関係者のコミュニティの参加の促進

ICANN モデルは、その定款に提示された説明責任と透過性に基づいて作成されており、説明責任と透過性に関する一連のフレームワークと指針( 2008 年 1 月作成)に詳しく述べられています。

この現在の一連のコンサルテーションは、 ICANN が一義的に責任を持つ複数関係者モデルの開発と強化における次のフェーズを表しています。

2008 年 3 月の ICANN および米国政府間の共同プロジェクト契約( JPA )の中間レビューの間、多数の提案が JPA からの最終的な移行に対する議論の一環として議論のテーマに取り上げられました。

ICANN は、 ICANN が表す複数関係者モデルに対するコミュニティの信頼をさらに高めるために設計されたこれらの提案について、公開協議を実施することを約束しました。


3. 「 移行アクション プラン 」とは何ですか。

ICANN は、共同プロジェクト契約が 2009 年 9 月の終了時に完了するものと確信しています。ただし、組織はその時点に達するには、一部の主要な分野を改善する必要があることを認識しています。移行アクション プランには、その地点に達するまでの経路がまとめてあります。


4. IANA 機能および IANA 同意書とは何ですか。

Internet Assigned Numbers Authority ( IANA ) 機能とは、インターネットとその固有の識別子システムに関連する一連の技術的な活動を指します。

これらの機能は、米国政府との契約の下で、南カリフォルニア大学によって最初に実施されました。現在では、米国商務省との契約の下で、 ICANN スタッフによって実施されています。契約に記述されている機能は以下のとおりです。

  • 技術的なインターネット プロトコル パラメータの割り当ての調整
  • IETF および IAB の指示のもとで、さまざまなインターネット プロトコル レジストリ内の多数のコードと数字を維持
  • ルート管理に関連する管理機能の実行
  • IPv4 、 IPv6 、 AS 番号などのインターネット リソースの割り当ての調整
  • 関係者によって相互に同意されたその他のサービス

最新の IANA 同意書は http://www.icann.org/en/general/iana-contract-14aug06.pdf から入手できます。

ICANN には、 IANA の技術的な作業に関する IETF との覚書も用意されています。覚書および覚書の補足合意書については、 http://www.icann.org/en/general/ietf-icann-mou-01mar00.htm および http://www.icann.org/en/general/ietf-iana-agreement-v8.htm をそれぞれ参照してください。

IANA 機能は、米国商務省との契約の下で実施され(国家情報通信管理局( NTIA )経由)、 JPA 中間レビューの一部ではない点に注意してください。契約と機能に変更を加える場合は、 NTIA は ICANN とその他の関連する関係者と話し合う必要があります。


5. 共同プロジェクト契約 ( JPA ) とは何ですか。

JPA とは、 ICANN と米国政府( USG )に代わる米国商務省( DOC )との間で 2006 年 9 月 に署名された同意書です。

JPA は、 1998 年 11 月に当初署名された 2 つの関係者間の一連の 7 つの覚書を取り入れ、 ICANN 理事会によって合意された 10 の責務から構成されています。これらの合意書の目的は、民間セクターへのドメイン ネーム システム管理の移行に影響を与えることにあります。

JPA は http://www.icann.org/en/general/JPA-29sep06.pdf からダウンロードできます。

一連の覚書と関連する合意書はすべて http://www.icann.org/en/general/agreements.htm#jpa から入手できます。


6. ICANN は覚書および JPA の下で米国 政府と共に 何を達成しましたか。

その成果は、 ICANN が米国商務省に提出した 13 の状況レポート、年次報告書、および組織の理事会決議に対する継続的な達成項目に反映されます。 達成項目には以下のものが含まれます。

  • 複数関係者の支持組織( GNSO )を分野別トップ レベル ドメイン市場の目的に合わせて形成および改訂
  • 新しい TLD の実装など、 gTLD のドメイン名の登録サービスにおける競争の導入
  • サイバースクワッティング やその他の知的財産権の紛争を解決するための統一ドメイン名紛争解決方針の実装
  • アドレス支持組織の確立など、地域的なインターネット レジストリとの公式の法的手続きの確立
  • 100 以上の政府と 5 つの政府間機関が ICANN 固有の複数関係者の環境において個々の役割を果たすように適応している政府諮問委員会の設立
  • 国別コード名支持組織の確立など、 ccTLD 運用者との同意書の規定。 ICANN-ccTLD 同意書は現在、世界中の ccTLD レジストラの 60% 以上を表す ccTLD 運用者で定められています
  • 5 つの地域別 At-Large 組織と選択されたグローバル At Large 諮問委員会を通して、 個人やユーザーおよび消費者グループによる参加を確保する At Large 構造の確立
  • 業務の継続性を確保するための危機管理計画の作成
  • ドメイン ネーム システム、インターネット プロトコル アドレスの割り当て、およびその他のインターネット固有の識別子を調整するために、グローバルな代表プロセスを確立し、ポリシーをボトムアップで形成
  • 請戻猶予期間やドメイン転送ポリシーの導入など、 分野別トップ レベル ドメインのレジストラ用の消費者保護対策をレジストリとレジストラ同意書を使用して作成および表明
  • IPv4 アドレス、 IPv6 アドレス、 AS 番号の割り当て用のグローバル ポリシーの確立
  • ICANN の戦略プラン、運営プランと予算を統合的に作成するためのコミュニティ協議型のプロセスの確立
  • 予測および持続可能な財源を提供する財務戦略の実装
  • コミュニティと協議して透過性と説明責任を継続的に改善

7. ICANN とは何ですか。

ICANN は、非営利法人として登録されている複数関係者による組織です。 ICANN は政府、企業、技術エクスパート、およびユーザーと協力して、ボトムアップ型のプロセスでインターネットの固有の識別子の調整に関する方針を作成します。

現代経済で行われるグローバルな商業活動の大半は、安定したインターネットに依存しています。同様に、インターネットの使用における改革の大半は民間セクターから発せられたもので、インターネットを構成する多数のネットワークは民間によって所有されています。このため、民間セクターが ICANN の業務において主要な役割を果たしていることにも納得がいきます。


8. ルート ゾーン管理の仕組みはどうなっていますか。

ICANN スタッフは DNS ルート ゾーンを管理し、 .uk や .com などのトップ レベル ドメインの技術および管理データを維持しています。特に、 IANA のルート ゾーン データベースには、トップ レベル ドメイン運用者の信頼できる記録が含まれています。

IANA は、 RFC 1591 および ICP-1 などの標準で定義された条件に基づいて、 ccTLD をオペレーション マネージャに委任します。 ccTLD のオペレーション マネージャを変更するプロセスは再委任と呼ばれ、 RFC 1591 にまとめられた条件にも基づいています。

TLD がルート ゾーンに入ると、 IANA は TLD による定期的な要請を受けて処理し、ルート ゾーン内の ccTLD のネーム サーバーに関する情報を変更するか、管理または技術的な連絡先情報といった組織に関する管理詳細を変更します。ルート ゾーン情報への変更は、 ICANN と米国商務省との間の IANA 機能に対する契約条件に基づき、商務省によって承認されます。

ゾーンへの変更は、 VeriSign と米国商務省との間の共同研究と開発協定( CRADA )に基づいて配布されます。


9. ルートゾーンの移行同意書とは何ですか。

ICANN と VeriSign は、以下の項目に同意することを 2006 年の契約で取り決めました。

  1. ドメイン ネーム システムの安全かつ安定した運用に関連する運用およびセキュリティ上の問題に協力して取り組み、これらの問題の改善に向けた推奨を作成および実装
  2. ルート ネーム サーバー システムの運用手順とベスト プラクティスに関する共同作業
  3. ARPA TLD とルート ゾーン システムの調整と管理を目指した ICANN への移行作業を完了するためのタイムテーブルの共同作成。特に、 ICANN が 2005 年から 2006 年の間に、ルートと ARPA ゾーンを編集、署名、および公開できるように作成しました。この実現のためには、ルート サーバー システム運用者の協力と承認が必要
  4. 編集、署名、および公開など、ルートおよび ARPA ゾーンの調整を目指した ICANN への移行作業を完了するための手順とマイルストーンの確立
  5. 上記の c および d に関する共同の取り組み案を米国商務省に提出し、ジョイント ディスカッション、プラニング、および実装(必要な場合は、 3 つの関係者による適切な契約上の修正も実施)を実行
  6. 集中的な協力が求められる技術プロジェクトに参加し、上記の c および d に規定した移行作業を簡素化。たとえば、 2005 年の第一期に作業を開始し移行作業が完了するまで共同で作業を行う高度な共同技術運用チームを形成し、ルートおよび ARPA ゾーン管理と公開に必要なシステムとアーキテクチャの設計、実装、およびテストに関するアドバイスを提示
  7. 上記の各項目を達成するのに適した活動と努力を共同で実施

10. ICANN 内におけるプレジデントの戦略委員会の役割は何ですか。

PSC は、 ICANN が直面する戦略上の問題に関する考察と推奨を行う目的で作成されました。 PSC は 2005 年 12 月のバンクーバー会議にて発足し、 2006 年 6 月にマラケシュで第一回の公開会議が行われました。

発足以降、 PSC はドラフト(勧告案)( 2006 年 12 月にサンパウロにて)、最終報告書( 2007 年 3 月にリスボンにて)、その最終報告書に関する更新案( 2007 年 11 月にロサンゼルスにて)をそれぞれ発行しました。この間、 PSC は 4 つの公開会議と 2 つのオンライン コンサルテーションを実施しました。 PSC の活動の全詳細については、委員会の Web ページ http://www.icann.org/en/psc/ を参照してください。

このコンサルテーションとの関連で、 2008 年 2 月のワシントンでの共同プロジェクト契約( JPA )公開会議の中間レビューにて、 ICANN の議長は ICANN が機関として信頼を獲得するのに必要な次のステップに関して、コミュニティと話し合いの場を持つように PSC に要請しました(演説の全文は http://www.icann.org/en/jpa/chairman-address.html から入手できます)。

PSC は 2008 年 4 月にラトビアのリガで最初の話し合いの場を設け、 4 月から 6 月にかけてさらに 3 回会合し、「移行アクション プラン」と「 ICANN における制度信頼性の改善」文書を策定しました。


11. これらのコンサルテーションに参加すべき理由は何ですか。

発足から 10 年経過した現在、ユニークで革新的な意思決定モデル( ICANN が表す「ボトムアップの調整と管理」)は安定と成熟度を確保しました。インターネットがダイ ナミックな変化と成長を遂げているように、 ICANN 自体もその基本的で重要な役割を果たすために順応し続けていく必要があります。その成熟度から判断すると、共同プロジェクト契約は 2009 年 9 月の同意終了日に米国政府と締結できることは確実です。

ICANN がこのような調整を行い、米国政府と JPA を締結する場合には、多数の問題と機会に直面することになります。

このコンサルテーションは、インターネット コミュニティが「移行アクション プラン」および「 ICANN における制度信頼性の改善」に関してレビューとコメントを行うことができるように設計されています。

移行プランに関する独自の実質的な考えを持っている場合は、この機会を利用してこのコンサルテーションに是非参加してください。


12. 参加方法と参加時期を教えてください。

一般市民からの意見をいつどのように聴取できるかをまとめたコンサルテーション プロセスのタイムラインを用意しています。 以下はその概要です。

  • ICANN 会議は 2008 年 6 月 22 ~ 28 日にパリにて開催。 6 月 22 日(月)の午後 1 時 30 分にはメリディアン モンパルナスにて 2 時間にわたる公開会議を開催。
  • これらの文書に関する一般からのコメント投稿期間を設定。送信するコメントは PSC とグローバルなインターネット コミュニティによってレビューされます。
  • 改訂された最新版の文書は、コミュニティ レビューおよび一般からのコメントの月( 2008 年 8 月または 9 月)にリリースされます。
  • 2008 年 11 月 2 ~ 7 日にカイロにて開催される公開会議では、最終ドラフトに関する話し合いが行われます。

各段階において、フィードバックが要約され、プロセスに入力されます。

これらの 4 つの機会以外にも、 PSC は世界中で小規模な「タウンホール」会議を多数開催することを検討しています。詳細については、後日そのような会議の場で発表いたします。

今度開催予定のイベントとコンサルテーション プロセス自体の進行状況の詳細については、専用の Web ページ( http://www.icann.org/ja/jpa/iic/ )を参照してください。

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